【仙台】相続人調査とは?戸籍の集め方と広域交付制度をわかりやすく解説|行政書士が解説

「相続手続きを始めたいけど、まず何をすればいいの?」
「相続人調査って難しそう」

相続手続きで最初にやるべきことのひとつが相続人調査です。誰が相続人かを確定させないと、その後の手続きが一切進みません。しかし戸籍の収集と読み取りは、慣れていない方には相当ハードルが高い作業です。

この記事でわかること
・相続人調査とは何か、なぜ必要か
・相続人の範囲と順位
・戸籍の集め方と2024年から始まった広域交付制度
・戸籍調査でよくある困りごと

はじめまして。宮城県仙台市宮城野区を拠点に活動している行政書士の髙橋誠です。


相続人調査とは

相続人を探している画像

相続人調査とは、被相続人(亡くなった方)の法定相続人が誰かを、戸籍を収集して確定させる作業のことです。

銀行の手続き・不動産の名義変更・遺産分割協議など、すべての相続手続きで相続人が誰かを証明する必要があります。相続人調査はすべての相続手続きの出発点です。


なぜ相続人調査が必要なのか

相続人調査が必要な場面は具体的には以下の通りです。

  • 銀行・郵便局などの預貯金の解約・払い戻し
  • 不動産の相続登記(名義変更)
  • 遺産分割協議書の作成
  • 相続税の申告

これらすべての手続きで、相続人が誰かを証明する戸籍が必要になります。つまり相続人調査は相続手続き全体の土台となる作業です。

思わぬところに相続人がいることがある

被相続人に過去の婚姻歴がある場合、前の配偶者との間に子どもがいる可能性があります。その子どもも法定相続人になります。また認知した婚外子がいる場合も相続人になります。こういったケースは家族が知らないこともあり、戸籍をしっかり調査しないと見落としてしまいます。

相続人の漏れがあると手続きが無効になる

遺産分割協議は相続人全員で行わなければなりません。相続人が一人でも欠けると遺産分割協議は無効になります。後から相続人が発覚した場合、やり直しになることがあります。


法定相続人の範囲と順位

相続人調査では以下の範囲で相続人を特定します。

配偶者は常に相続人になります。第1順位は子ども(子どもが亡くなっている場合は孫・ひ孫と再代襲あり)、第2順位は父母・祖父母などの直系尊属、第3順位は兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥・姪まで代襲)です。


相続人調査に必要な戸籍の種類

被相続人の戸籍

被相続人については出生から死亡までの連続したすべての戸籍が必要です。転籍や結婚・離婚などによって本籍地が変わるたびに新しい戸籍が作られるため、複数の市区町村にまたがることも珍しくありません。

相続人の戸籍

相続人全員の現在の戸籍謄本も必要です。相続人が存在することとその続柄を証明するために使用します。


戸籍の集め方

従来の方法

これまでは本籍地のある市区町村の役所・役場に直接行くか、郵送で申請するしかありませんでした。複数の市区町村にまたがる場合はそれぞれに別々に請求する必要があり、非常に手間がかかっていました。

2024年3月から始まった広域交付制度

2024年3月1日から「戸籍の広域交付制度」が始まり、戸籍の収集が格段に便利になりました。本籍地がどこにあっても全国どこの市区町村の窓口でも戸籍謄本・除籍謄本を取得できるようになりました。

例えば仙台市に住んでいて、被相続人の本籍地が東京・大阪・福岡に散らばっていた場合でも、仙台市の役所一か所で一括して戸籍を集めることができます。

ただし以下の点に注意が必要です。

  • 窓口での申請のみで郵送・オンラインには対応していない
  • 取得できるのは本人・配偶者・直系尊属・直系卑属に限られ、兄弟姉妹の戸籍は取得できない
  • マイナンバーカードなど顔写真付きの身分証明書が必要
  • コンピュータ化されていない古い戸籍は対象外

相続人調査の手順

ステップ1:現在の戸籍から取得する

まず被相続人が最後に在籍していた戸籍(死亡の記載があるもの)を取得します。役所窓口で「相続手続きのため○○の出生から死亡までの連続した戸籍謄本をすべて出してください」と伝えるとスムーズです。

ステップ2:前の戸籍を辿る

取得した戸籍に記載されている「従前戸籍」をもとに、さらに前の戸籍を取得します。これを出生まで繰り返します。

ステップ3:相続人の戸籍を取得する

被相続人の戸籍収集と並行して、相続人全員の現在の戸籍も取得します。

ステップ4:相続関係説明図を作成する

収集した戸籍をもとに、相続人全員の関係を図にまとめた「相続関係説明図」を作成します。これがあると相続手続き全体がスムーズに進みます。


相続人調査でよくある困りごと

戸籍の読み取りが難しい

相続人調査で最もハードルが高いのが、戸籍の読み取りです。私自身も勉強のために実際の戸籍のサンプルを見たことがありますが、明治・大正時代の手書き戸籍は独特の言語体系があり、法律の知識がある専門家でも読み解くのに時間がかかります。一般の方が初めて見ると、どこに何が書いてあるかすら分からないことが多いです。

コンピュータ化されていない戸籍が存在する

広域交付制度が便利になった一方で、コンピュータ化されていない古い戸籍は対象外です。この場合は従来通り、本籍地の役所に個別に請求する必要があります。被相続人の年齢が高い場合や、本籍地の移動が多い場合は、コンピュータ化されていない戸籍が残っているケースがあります。

予想外の相続人が見つかる

戸籍を調査していると、家族が知らなかった相続人が見つかることがあります。前の配偶者との子どもや認知した婚外子などが発覚するケースもあります。こういった場合でも、見つかった相続人を含めて遺産分割協議を行わなければなりません。

本籍地が複数の市区町村にまたがっている

転籍や結婚・離婚が多い場合、本籍地が全国各地に散らばっていることがあります。広域交付制度を利用しつつ、対応できない戸籍は郵送申請を組み合わせて効率的に収集しましょう。


行政書士に依頼するメリット

行政書士は職務上請求という制度を利用して、相続手続きに必要な戸籍を効率的に収集することができます。

どの戸籍が必要かの判断から収集・整理まで一括してサポートします。また古い戸籍の解読や複雑な相続関係の整理にも対応できます。相続関係説明図の作成もセットで行うことで、その後の相続手続き全体がスムーズに進みます。


まとめ

相続人調査は相続手続きの最初のステップです。

  • 出生から死亡までの連続した戸籍を収集して相続人を確定させる
  • 2024年3月から広域交付制度が始まり、一か所の窓口で収集できるようになった
  • 古い戸籍の読み取りやコンピュータ化されていない戸籍は専門家への依頼が現実的

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