【仙台】相続放棄を検討する前に必ずやるべき財産調査とは|行政書士が解説
「親が亡くなったけど借金があるかもしれない」
「相続放棄した方がいいのか判断できない」
相続放棄を検討する前に、必ずやるべきことがあります。それが財産調査です。財産調査をせずに相続放棄をしてしまうと、取り返しのつかない事態になることがあります。
この記事でわかること
・財産調査をしないと起きる2つのリスク
・プラスの財産の調査方法
・マイナスの財産・負債の調査方法
・デジタル資産調査の限界と生前準備の重要性
はじめまして。宮城県仙台市宮城野区を拠点に活動している行政書士の髙橋誠です。私は行政書士であると同時に、約10年介護現場で働いてきた介護福祉士でもあります。今回の記事では介護現場では現実でよくある、相続発生後に借金が残るかもしれないというテーマで執筆します。
財産調査をしないと起きる2つのリスク
リスク① 熟慮期間が過ぎて相続放棄できなくなる
相続放棄ができる期間は、相続を知った日から3ヶ月以内と民法で定められています。この期間を「熟慮期間」といいます。
財産調査をしないまま時間が経過すると、気づかないうちに熟慮期間が過ぎてしまい、借金があっても相続放棄ができなくなるリスクがあります。借金などマイナスの財産をそのまま引き継がなければならない事態になってしまいます。
熟慮期間の3ヶ月は短いようで、実際に財産調査をしながら相続放棄を検討するには決して余裕のある期間ではありません。相続が発生したらすぐに財産調査を始めることが重要です。
リスク② プラスの財産があるのに知らずに放棄してしまう
逆のパターンも起こります。借金があると思い込んで相続放棄をしたところ、実は把握していなかった預貯金や不動産があった、というケースです。
相続放棄は一度手続きをすると原則として取り消すことができません。財産調査をせずに放棄の判断をすることは、損をするリスクを自ら招くことになります。
プラスの財産の調査方法
不動産
固定資産税の納税通知書や固定資産評価証明書で把握できます。ただし、家族が把握していない不動産が存在する場合があります。そのため、市区町村役場で名寄帳(固定資産課税台帳)を取得することが重要です。名寄帳にはその市区町村内の全ての固定資産が一覧で記載されています。
注意点として、名寄帳は市区町村ごとに取得が必要です。複数の市区町村に不動産がある場合は、それぞれの役所に請求する必要があります。
預貯金
把握している金融機関に残高証明書を請求します。ただし、死亡の事実が金融機関に知られると口座が凍結されます。公共料金の引き落とし口座など、生活に必要な支払いへの影響が出る場合があるため、口座凍結前に引き落とし口座の変更などを検討しておく必要があります。
把握していない口座がある場合は、郵便物や通帳の確認から手がかりを探すことになります。
有価証券・その他のプラスの財産
証券会社から残高証明書を取得します。その他、売掛金、鑑定価値のある動産、自動車なども財産調査の対象になります。
マイナスの財産・負債の調査方法
借入金・クレジット
把握している金融機関やクレジット会社に残高証明書を請求します。ただし、家族が把握していない借金が存在する場合があります。
信用情報機関への照会
把握していない借金の有無を調べるには、以下の3つの信用情報機関に照会する方法があります。
- CIC(クレジット情報)
- JICC(消費者金融情報)
- 全国銀行個人信用情報センター(銀行系借入)
これらへの照会は相続人本人が手続きをする必要があります。行政書士が代わりに照会することはできないため、依頼者本人に動いてもらう必要があります。
連帯保証債務
見落としやすいマイナスの財産として、連帯保証債務があります。本人が誰かの借金の連帯保証人になっていた場合、その債務も相続してしまいます。
郵便物や書類の中に保証契約書がないか確認することが重要です。
デジタル資産調査の限界と生前準備の重要性
デジタル資産の調査は難しい
現代では、スマートフォンで管理しているネットバンクや暗号資産(仮想通貨)を持っている方も増えています。しかしこれらのデジタル資産は、調査が非常に難しいという現実があります。
スマートフォンにパスワードがかかっていれば開けません。キャリアに問い合わせてもセキュリティの観点から対応してもらえないケースがほとんどです。ネットバンクも同様で、ログイン情報がなければアクセスできず、銀行に問い合わせても口座の存在自体を教えてもらえない場合があります。
つまり「存在を証明できないものは調査できない」という壁があるのが現実です。デジタル資産に多額の借金が紐づいている可能性もゼロではありませんが、現状では調査手段が限られています。
だからこそ生前準備が重要
デジタル資産の問題は、亡くなった後では解決が難しいからこそ、生前の準備が何より重要です。エンディングノートや覚書に、ネットバンクのログイン情報、証券口座、暗号資産のウォレット情報を記載しておくことが、残された家族への最大の配慮になります。
財産調査の結果、相続放棄すべきか判断する
財産調査が完了したら、プラスの財産とマイナスの財産を比較して相続放棄するかどうかを判断します。
マイナスの財産がプラスの財産を明らかに上回る場合は相続放棄を検討します。ただし相続放棄は家庭裁判所への申述が必要で、3ヶ月の熟慮期間内に手続きをしなければなりません。
プラスとマイナスが拮抗していて判断が難しい場合は、限定承認という選択肢もあります。限定承認はプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ制度ですが、相続人全員の同意が必要等、手続きが複雑なためあまり使用されていません。
まとめ
相続放棄を検討する前に、必ず財産調査を行いましょう。
・熟慮期間の3ヶ月を意識して、相続発生後すぐに調査を開始する
・プラスとマイナス両方の財産を調査する
・信用情報機関3機関への照会で把握していない借金を確認する
・デジタル資産は調査が難しいため、生前のエンディングノート作成が重要
「相続放棄を検討しすべきかどうか分からない」「財産調査のやり方が分からない」そんな方は、まずはお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。
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