仙台市終活支援条例とは|「今を大切に生きる」ための市の取り組みを行政書士が解説
「仙台市が終活を応援する条例を作った」とニュースで聞いて、どんな条例なのか気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
仙台市は令和7年(2025年)6月24日、「今を大切に生きる終活支援条例」を制定・施行しました。実はこの条例、全国で3例目という珍しいものです。
この記事では、仙台市終活支援条例の内容と背景、そして市民の皆さまにとってどんなメリットがあるのかを、仙台市宮城野区の行政書士が解説します。
この記事でわかること
- 仙台市終活支援条例の正式名称と制定日
- 条例の目的と全9条の構成
- 「終活」の条例上の定義
- 全国での位置づけ(大和市・岡山市との比較)
- 関連事業(エンディングノート、終活情報登録制度)
- 市民が受けられる具体的な支援
仙台市終活支援条例の基本情報
| 正式名称 | 今を大切に生きる終活支援条例 |
|---|---|
| 公布日 | 令和7年6月24日 |
| 施行日 | 令和7年6月24日 |
| 条文構成 | 全9条 |
| 制定方法 | 議員提案により制定 |
「終活」の条例上の定義
条例第2条第1号で、終活は次のように定義されています。
生きている「今」を大切にしながら、自己の希望及び周囲の人々への影響を考慮した人生のエンディング及び死後の手続に関する準備を行う活動
注目すべきは、条例名にも含まれている「今を大切に」という視点です。終活を「死に向かう活動」ではなく、「今をよりよく生きるための準備」と捉えているのが仙台市条例の特徴です。
条例の目的(第1条)
第1条では、終活支援に関する基本理念・市の責務・事業者や市民の役割・施策の基本を定めることで、以下を目指すとしています。
- 終活支援に関する施策の総合的な推進
- 市内での終活の広範な浸透
- 心豊かな市民生活の実現への寄与
基本理念(第3条)
条例の基本理念として、「終活支援は、市民一人ひとりの意思が尊重されるよう、配慮して行われなければならない」と明記されています。
そのうえで、市・事業者等・市民が連携・協力して、次の3点を推進すべきとされています。
- 市民が主体的に終活に取り組むことができる環境を整備すること
- 終活に関する市民のニーズを的確に把握し、時代に適合した多様な施策を行うこと
- 市民それぞれの終活に対する考え方を尊重し、理解を深めること
基本的施策(第7条)
市が実施する基本的施策として、次のような取り組みが条例に規定されています。
- 終活に関する相談支援
- 終活に関する広報及び周知
- 市民が終活に取り組みやすい環境の整備
仙台市終活支援条例の関連事業
① エンディングノートの作成・配布
条例の施行後、仙台市は「今を大切に生きるためのエンディングノート」(A4判・全36頁)を作成し、無料配布しています。市のウェブサイトからPDFでダウンロードもできます。
▶ 詳しくは 仙台市公式エンディングノートの使い方|行政書士が解説 をご覧ください。
② 終活情報登録制度(令和7年11月〜)
仙台市は令和7年11月から、ひとり暮らし高齢者向けの「終活情報登録制度」を開始すると報じられています。この制度では、以下の情報を市に登録できます。
- 家族の連絡先
- お墓の場所
- 遺言書の保管場所
万が一のとき、市が登録情報をもとに家族への連絡や遺言書の所在確認をサポートする仕組みです。おひとりさま高齢者の「亡くなった後の不安」を軽減する取り組みと言えます。
全国での位置づけ|仙台市は全国3例目
令和7年11月時点で、終活支援を目的とする条例を制定している自治体は、全国でわずか3市だけです。
| 自治体 | 条例名 | 公布日 |
|---|---|---|
| 神奈川県大和市 | 大和市終活支援条例 | 令和3年6月29日(全国初) |
| 岡山県岡山市 | 岡山市民の終活を支援するための条例 | 令和7年3月19日 |
| 宮城県仙台市 | 今を大切に生きる終活支援条例 | 令和7年6月24日 |
仙台市は東北地方で初めて、政令指定都市としては岡山市に次ぐ事例として、終活支援を条例化した自治体です。
市民が得られる具体的なメリット
① 無料で質の高いエンディングノートが手に入る
市が制作した信頼性の高いエンディングノートを、無料で入手できます。市販のエンディングノートは数千円するものが多いなか、無料は大きなメリットです。
② 市の終活相談窓口が利用できる
条例に基づく相談支援として、市が終活に関する相談窓口を設けています。「どこから始めればいいかわからない」という方の最初の一歩として利用できます。
▶ お問い合わせ窓口:仙台市健康福祉局高齢企画課分室(TEL:022-214-8515)
③ 終活情報登録制度(ひとり暮らし高齢者向け)
家族が遠方にお住まいの方、おひとりさまの方の「もしも」の備えとして活用できます。
条例ができても「自分で動く」ことは変わらない
条例があっても、終活そのものを市が代わりに進めてくれるわけではありません。自分の人生の準備は、自分で考え、自分で決めることが基本です。
ただし、エンディングノートを書き始めても、途中で以下のような疑問にぶつかることがあります。
- 財産の分け方を具体的に指定したい(→ 遺言書)
- 認知症になったときの備えをしたい(→ 任意後見契約)
- 自分で考えた相続案が法律的に有効かわからない
- 相続人同士でもめないようにしたい
こうした法的な準備が必要になった際には、行政書士・弁護士・司法書士など、専門家にご相談ください。当事務所でも、終活のご相談から遺言書作成・任意後見契約まで、幅広くサポートしています。
まとめ
- 仙台市は令和7年6月24日、「今を大切に生きる終活支援条例」を制定・施行(全9条)
- 全国3例目、東北地方で初の終活支援条例
- 関連事業として無料エンディングノート配布、終活情報登録制度(令和7年11月〜)
- 市民は無料ノート入手・相談窓口利用などのメリットが得られる
- 法的手続きが必要になった際は、行政書士などの専門家に相談を
当事務所では、仙台市エンディングノートの書き方相談、遺言書作成(自筆証書・公正証書)、任意後見契約、家族信託まで、終活全般のサポートを行っています。初回相談は60分まで無料です。
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参考資料
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