【仙台】法定養育費とは|2026年民法改正で養育費不払い対策が強化

「離婚時に養育費を取り決めなかったが、後から請求できる?」

「法定養育費という制度ができたと聞いたが、どういうもの?」

「既に離婚している場合も対象になる?」

——日本では離婚後の養育費を受け取っていない母子家庭が約7割に上り、長年の社会問題でした。この問題に対処するため、2024年成立の改正民法により、2026年5月26日から「法定養育費」制度が導入されました。離婚時に養育費の取り決めがなくても、法律で定められた金額を自動的に請求できる画期的な制度です。この記事では、法定養育費の仕組み、金額、請求方法、既に離婚した方への適用、離婚協議書との関係まで、宮城県仙台市の行政書士が詳しく解説します。

この記事でわかること

  • 法定養育費制度の概要
  • 導入された背景
  • 従来の養育費との違い
  • 法定養育費の金額
  • 請求できる期間
  • 既に離婚済みの場合の扱い
  • 離婚協議書で定めるべき理由
  • 先取特権との関係

はじめまして。宮城県仙台市宮城野区を拠点に活動している行政書士の髙橋誠です。

法定養育費制度の概要

法定養育費とは、離婚時に養育費の取り決めがなかった場合でも、法律で定められた金額を自動的に請求できる制度です。2024年5月に成立した改正民法により、2026年5月26日から施行されました。

これまでは、養育費の取り決めがないまま離婚してしまうと、後から請求するために家庭裁判所の調停を申し立てる必要がありました。相手が応じなければ時間と費用がかかり、泣き寝入りするケースが多かったのです。

法定養育費は、こうした手続きなしに、法律で決まった金額を請求できる仕組みです。

導入された背景

厚生労働省の調査では、ひとり親家庭で養育費を継続して受け取っているのは全体の約3割にとどまっています。残り7割は、取り決めはあっても支払われない、または取り決め自体がない状態です。

この背景には以下のような事情があります。

  • 離婚時に「早く別れたい」で養育費の話を後回し
  • 相手との関係悪化で請求を諦める
  • 調停を申し立てる精神的・金銭的負担
  • 支払いを強制する法的手段が限定的

法定養育費はこの不平等な状況を是正するための大きな制度改正です。

従来の養育費との違い

  • 従来の養育費:父母の合意または家庭裁判所の決定で金額を定める。取り決めがなければ請求困難
  • 法定養育費:取り決めがなくても法律で定められた金額を自動的に請求可能

法定養育費は、「取り決めがない場合の最低保障」として機能します。もちろん、父母の合意で法定養育費を上回る金額を定めることも可能です。

法定養育費の金額

法定養育費の具体的な金額は、政令で定められています。子どもの人数と年齢に応じた基準額が設定されており、原則として最低限の生活を保障する金額です。

目安としては、家庭裁判所の養育費算定表の最低額程度(子1人あたり月1万円〜数万円)とされています。

これは「最低限」なので、実際にはお互いの収入や子の生活状況に応じて、より高額の養育費を合意するのが通常です。

請求できる期間

法定養育費は、原則として子が成年(18歳)に達するまで請求できます。父母の協議や合意で、「大学卒業まで」等の延長を定めることも可能です。

請求は、相手に対して「法定養育費を請求します」と意思表示することで開始します。改正法では、強制執行認諾文言付きの公正証書と同じ強制力が与えられる見込みです。

既に離婚済みの場合の扱い

2026年5月26日の施行前に離婚した方も、養育費の取り決めがなければ、新制度の対象となります。「もう離婚して何年も経ったけど養育費もらってない」という方も、法定養育費を請求できる可能性があります。

詳細な適用範囲は政令・判例の積み上げで確定していくため、該当する方は早めに専門家に相談することをお勧めします。

それでも離婚協議書で定めるべき理由

法定養育費制度ができても、離婚協議書で養育費を具体的に定めるべき理由は以下のとおりです。

  • 法定養育費は「最低限」の金額。実際の生活費には足りない
  • 父母の合意額の方が、法定額より高額になるケースが多い
  • 支払期間(大学卒業まで等)を柔軟に定められる
  • 支払方法・振込口座等の実務的事項を決められる
  • 公正証書化で強制執行認諾文言を入れると強力な回収手段になる

法定養育費はあくまで「取り決めがなかった場合のセーフティネット」です。将来の子どもの生活を守るため、きちんと離婚協議書で定めることが望ましいです。

先取特権との関係

養育費には民事執行法上の優遇措置があります。給与差押えの上限が通常の債権より有利(手取りの2分の1まで)、将来分の一括差押えが可能、相手が破産しても免責されない等です。

法定養育費にもこれらの保護が及ぶ見込みで、養育費回収の実効性が大きく向上します。

※先取特権についての記事はこちらからご覧ください。

それでも悩む場合

法定養育費制度は新しいため、個別のケースでの適用は専門家の判断が重要です。宮城県仙台市の行政書士髙橋誠事務所では、離婚協議書作成・公正証書化のご相談と合わせて、法定養育費の適用についてもご案内いたします。

まとめ

  • 2026年5月施行の新制度(取り決めなしでも請求可)
  • 日本の養育費不払い7割問題への対策
  • 最低限の金額が法律で保障される
  • 既に離婚済みの方も対象になる可能性
  • 離婚協議書で合意する方が有利
  • 公正証書化で強制執行の実効性UP
  • 先取特権で養育費回収がより確実に

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