【仙台】任意後見制度とは?成年後見制度との違いをわかりやすく解説

「任意後見制度って聞いたことはあるけど、よく分からない」
「成年後見制度と何が違うの?」

終活や認知症対策を調べていると、必ずといっていいほど出てくる「任意後見制度」という言葉。しかし、具体的にどんな制度なのか、成年後見制度とどう違うのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。

はじめまして。宮城県仙台市宮城野区を拠点として活動しております髙橋誠です。

私は行政書士であると同時に、約十年介護現場で働いてきた介護福祉士でもあります。制度の建前と現場の現実、その両方を見てきた立場から、任意後見制度についてわかりやすくお伝えします。


任意後見制度とは何か

任意後見制度とは、将来自分が認知症などで判断能力が低下したときに備えて、あらかじめ信頼できる人(任意後見人)を自分で選び、どのような支援をしてもらうかを契約で決めておく制度です。

一言で言うと「将来の自分を託す人を、今のうちに自分で決める制度」

認知症になってから「誰かに財産管理を任せたい」と思っても、その時点で判断能力が失われていれば、自分で決めることができません。だからこそ、元気なうちに契約を結んでおく必要があります。


成年後見制度との違い

任意後見制度を理解する上で、成年後見制度との違いを押さえておくことが重要です。

最大の違いは「誰が後見人を選ぶか」

成年後見制度は、判断能力が低下した後に家庭裁判所が後見人を選任します。つまり、見知らぬ専門家(弁護士や司法書士など)が選ばれることも少なくありません。本人の意思は反映されません。

一方、任意後見制度は、判断能力があるうちに自分で後見人を選びます。信頼できる家族や友人、あるいは専門家に依頼することができます。「自分の今後の人生を委ねる人を、自分で決められる」これが任意後見制度の最大のメリットです。

比較表

任意後見制度成年後見制度
後見人を選ぶのは本人家庭裁判所
契約のタイミング判断能力があるうち判断能力低下後
支援内容の決定契約で自由に決められる裁判所が決定
後見監督人必ず選任される場合による

任意後見契約はいつ結ぶ必要があるか

任意後見契約は、必ず判断能力があるうちに結ぶ必要があります。

理由は「契約」だから

任意後見は「契約」です。契約を結ぶためには、意思能力、つまり自分で契約の意味を理解できる能力が必要です。認知症が進行して意思能力が失われてしまうと、契約自体ができなくなります。

「まだ元気だから大丈夫」と思っているうちに準備しておくことが、任意後見制度の大前提です。介護現場で働いてきた経験から言うと、人は急速に衰えが来ることがあります。体力・気力・判断力が揃っている今のうちに動くことが、何より重要です。


任意後見契約を結んだ後の流れ

契約直後は「眠っている」状態

任意後見契約を公正証書で結んだだけでは、後見はまだ始まりません。契約は「眠っている」状態です。日常生活は今まで通り続きます。

判断能力が低下したときに「起床する」

判断能力が低下したと判断されたとき、初めて任意後見が動き出します。ただし、自動的に始まるわけではありません。

家庭裁判所への申し立てが必要

任意後見を開始するには、以下のいずれかが家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。

  • 任意後見契約の受任者(自分が選んだ後見人候補)
  • 配偶者
  • 直系血族(子や親など)

申し立てを受けた家庭裁判所は、任意後見人を監督する「任意後見監督人」を選任します。この監督人が選任されて初めて、任意後見が正式にスタートします。

任意後見監督人にも報酬が発生する

任意後見監督人は、後見人が適切に業務を行っているかを監督する役割を持ちます。この監督人にも、財産額に応じた報酬が発生します。つまり、自分が選んだ後見人への報酬に加えて、監督人への報酬も必要になります。この点は、事前に理解しておくことが重要です。


任意後見契約で決められること

任意後見契約では、後見人に任せる業務の範囲を自由に決めることができます。主に以下のような内容を定めることができます。

財産管理に関すること

  • 預貯金の管理や払い戻し
  • 不動産の管理
  • 税金や公共料金の支払い
  • 遺産分割協議への参加

身上監護に関すること

  • 介護サービスの契約
  • 医療機関への入院手続き
  • 施設への入所契約
  • 日常生活に必要な契約全般

自分のライフプランや希望を契約書に明記しておくことで、将来判断能力が低下したときにも、自分の意思を反映した生活を送ることができます。


任意後見契約の手続きの流れ

任意後見契約は、以下の流れで進めます。

①後見人候補者を決める

信頼できる家族、友人、または専門家(行政書士・司法書士・弁護士など)の中から後見人候補者を選びます。

②契約内容を決める

財産管理の範囲、身上監護の内容、生活上の希望などを具体的に決めます。

③公正証書で契約を結ぶ

任意後見契約は、必ず公正証書で作成する必要があります。公証役場で公証人の前で契約を結びます。

④法務局に登記される

契約内容は法務局に登記されます。これにより、契約の存在が公的に証明されます。


まとめ

任意後見制度は、将来の自分を守るために「今のうちに」動く制度です。

  • 後見人を自分で選べる
  • 支援内容を契約で自由に決められる
  • 判断能力があるうちにしか契約できない
  • 開始には家庭裁判所への申し立てが必要
  • 後見監督人が選任され、報酬が発生する

「まだ元気だから大丈夫」と思っているうちに準備することが、何より重要です。判断能力が失われてからでは、この制度を利用することができません。

任意後見制度について詳しく知りたい方、自分に必要かどうか判断したい方は、まずはお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

任意後見契約に関するサービス内容・料金はこちらをご覧ください。

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