【仙台】遺言書の文例集|ケース別の具体例

「遺言書を書きたいが、どんな文章にすればいいのかわからない」

「ネットの文例をそのまま使って大丈夫か心配」

「自分の家族構成に合った文例が見つからない」

「配偶者と子ども、二人の子の間で分けたいが、どう書けばいいのか」

——遺言書は、ちょっとした表現の違いで無効になったり、意図した通りに相続されなかったりします。例えば「相続させる」と「遺贈する」では法的効果が異なりますし、相続人の指定が曖昧だと解釈をめぐってトラブルになります。さらに、不動産や預貯金の記載が不正確だと、金融機関や法務局で手続きができないこともあります。この記事では、行政書士として実際に遺言書作成に携わってきた経験から、ケース別の遺言書文例を厳選してご紹介します。文例はあくまで参考ですが、ご自身の状況に合わせて組み合わせれば、確実性の高い遺言書が作成できるはずです。

この記事でわかること

  • 遺言書の基本構成
  • ケース別の文例(配偶者・子・特定財産・祭祀等)
  • 「相続させる」と「遺贈する」の使い分け
  • 財産を正しく特定する書き方
  • 付言事項の書き方
  • 遺言執行者の指定文例
  • 無効にならないための注意点

はじめまして。宮城県仙台市宮城野区を拠点に活動している行政書士の髙橋誠です。これまで遺言書作成をサポートしてきた経験から、使える文例を厳選してご紹介します。

遺言書の基本構成

遺言書は以下の構成で作成するのが一般的です。

  • タイトル:「遺言書」または「自筆証書遺言」
  • 本文:財産ごとの承継指定
  • 遺言執行者の指定
  • 付言事項(想いやメッセージ)
  • 日付(必ず年月日まで記載)
  • 署名・押印(実印推奨)

自筆証書遺言は、原則として全文を自書する必要があります。2019年の改正により、財産目録に限ってはパソコン作成・通帳のコピー添付等(自署と押印は必要です)が認められるようになりました。それ以外の本文、日付、氏名は必ず自書してください。パソコン入力した本文は無効になります。

文例1:全財産を配偶者に

「遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、遺言者の妻 髙橋花子(昭和〇〇年〇月〇日生)に相続させる。」

最もシンプルな文例です。子どもがいない夫婦、または子どもが独立していて配偶者優先にしたい場合に使えます。

ただし子どもがいる場合は、子の遺留分(法定相続人が最低保証されている権利)に注意が必要です。

子の遺留分を侵害すると、相続開始後に「遺留分侵害額請求」を受け、配偶者と子がトラブルになるケースもあります。(経験上はありませんが・・)

配偶者優先にする理由を付言事項でしっかり伝えることが、トラブル予防につながります。

兄弟姉妹には、この遺留分がないため「遺留分侵害額請求」を受けることがないため、配偶者と兄弟姉妹が推定相続人になる場合には必須と言っていいかもしれません。

文例2:複数の子に分ける

「遺言者は、下記の財産を長男 髙橋太郎(昭和〇〇年〇月〇日生)に相続させる。
記
1. 宮城県仙台市宮城野区〇〇番の土地(地目:宅地)

2. 同所同番地所在の家屋番号〇〇番の建物(種類:居宅、構造:木造瓦葺2階建、床面積:1階〇〇平方メートル、2階〇〇平方メートル)」

「遺言者は、〇〇銀行〇〇支店の遺言者名義の普通預金(口座番号〇〇〇〇〇〇〇)全額を、二男 髙橋次郎(昭和〇〇年〇月〇日生)に相続させる。」

特定財産を特定の相続人に残す場合の典型文例です。不動産は登記事項証明書どおりに正確に記載、預貯金は銀行名・支店名・口座番号・口座種別まで必ず記載します。曖昧な記載だと、金融機関での払い戻しや法務局での登記ができないケースがあります。

文例3:配偶者居住権の指定

「遺言者は、下記の建物について、妻 髙橋花子に終身の配偶者居住権を遺贈し、負担付所有権を長男 髙橋太郎に相続させる。
記
宮城県仙台市宮城野区〇〇所在の建物(家屋番号〇〇番)」

配偶者居住権の設定には、配偶者には「遺贈する」、所有権の相続人には「相続させる」と書き分けるのがポイントです。「配偶者居住権を相続させる」と書くと、相続放棄をした場合にすべての財産を手放さなければならなくなります。

文例4:祭祀承継者の指定

「遺言者は、民法第897条第1項に基づき、祭祀主宰者として長男 髙橋太郎を指定する。」

お墓・仏壇等の祭祀財産を誰が承継するかを明示する文例です。祭祀財産は相続財産とは別扱いですが、「誰が引き継ぐか」で揉めやすい部分です。遺言書で指定しておけば、相続人間の争いを防げます。

文例5:遺言執行者の指定

「遺言者は、本遺言の執行者として、下記の者を指定する。
住所:宮城県仙台市宮城野区〇〇番地
職業:行政書士
氏名:○○○○(昭和〇〇年〇月〇日生)
なお、遺言執行者の報酬は、相続財産の〇%とし、相続財産から支弁する。」

遺言執行者を指定しておくと、相続手続きがスムーズに進みます。相続人の中から指定することも、第三者(行政書士・弁護士等)を指定することも可能です。報酬についても遺言書内で定めておくと、相続後のトラブルを防げます。

文例6:遺贈(相続人以外へ)

「遺言者は、下記の財産を、長男の妻 髙橋美子(昭和〇〇年〇月〇日生、住所:〇〇)に遺贈する。
記
遺言者が所有する一切の動産(家具・衣類・貴金属等)」

相続人以外の人(嫁・内縁の配偶者・お世話になった人等)に財産を残す場合は、「相続させる」ではなく「遺贈する」と書きます。文言は正確にしておくほうがトラブルを避けられますので使い分けをしっかりしましょう。

文例7:予備的遺言(受遺者が先に亡くなった場合)

「遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、妻 髙橋花子に相続させる。ただし、妻が遺言者より先に、または遺言者と同時に死亡した場合は、長男 髙橋太郎に相続させる。」

受遺者が遺言者より先に亡くなった場合の備えとして、第二順位の相続人を指定しておく文例です。

高齢の配偶者や受遺者には必須と言えます。この一文がないと、受遺者が先に亡くなった時点で遺言書の全部又は一部が効力を失い、その部分について相続人全員での遺産分割協議が必要になります。

文例8:付言事項

「【付言事項】
家族のみんなへ。この遺言書を書いたのは、私がいなくなった後に、みんなが争うことがないようにとの願いからです。長男 太郎には、長年私の介護を支えてくれたことへの感謝の気持ちとして、多めに相続することにしました。他の子どもたちも、どうかこの気持ちを理解し、仲良く暮らしてください。みんなに感謝しています。」

付言事項には法的効力はありませんが、遺言者の想いを伝えることで、相続人間の争いを防ぐ効果があります。「なぜこの分け方にしたのか」の理由を書くだけで、残された相続人が納得しやすくなります。

恨み言等を記載すると、感情的になり「遺言書の無効」を主張されトラブルになる可能性があります。

「相続させる」と「遺贈する」の違い

  • 相続させる:相続人に対して使う。登記や名義変更の手続きが簡単、受遺者が単独で手続可能
  • 遺贈する:相続人以外(または相続人に対しても可)。登記は共同申請が原則で手続きが煩雑

相続人への財産承継は「相続させる」、相続人以外(嫁・友人・団体等)への財産承継は「遺贈する」と使い分けるのが基本です。配偶者居住権は配偶者に対しても「遺贈する」と書く特殊なケースなので注意しましょう。

財産を正しく特定する

遺言書で最もトラブルになりやすいのが、財産の特定が不十分なケースです。「〇〇銀行の預金」とだけ書いて、支店名や口座番号がないと、どの口座を指しているか特定できず、金融機関が払い戻しに応じないことがあります。

不動産なら登記事項証明書を取得して、所在・地番・家屋番号まで正確に転記します。預貯金なら金融機関名・支店名・預金種別・口座番号・口座名義を全て記載します。株式なら会社名・株式数等を明記します。手間ですが、この正確さがあとで活きます。

無効にならないための注意点

  • 全文を自書する(財産目録のみパソコン可)
  • 日付を正確に記載(「吉日」はNG、「〇年〇月〇日」と明記)
  • 署名・押印を忘れない(実印推奨)
  • 財産は正確に特定(住所・地番・家屋番号・口座番号等)
  • 加除訂正は厳格なルールに従う(書き損じたら訂正せずに書き直すことをおすすめします)
  • 遺留分に配慮(義務ではない)
  • ホッチキス留めは外さず封をする

公正証書遺言という選択肢

自筆証書遺言は手軽に作れますが、形式不備で無効になるリスク、紛失・改ざんのリスクがあります。より確実にするなら、公証役場で作成する「公正証書遺言」がお勧めです。

公証人が作成するため形式不備の心配がなく、原本は公証役場で保管されるため紛失・改ざんの心配もありません。

作成費用は財産の額に応じて数万円〜十数万円かかりますが、確実性を考えればお勧めできる選択肢です。

※公正証書遺言についてはこちらをご覧ください

それでも悩む場合

遺言書は人生で最も重要な書類のひとつです。文例をベースにしても、ご自身の家族構成や財産内容に合わせたカスタマイズが必要です。宮城県仙台市の行政書士髙橋誠事務所では、ご希望に沿った遺言書の作成を無料相談から承ります。公正証書遺言の作成サポートも可能です。

まとめ

  • 遺言書は基本構成に沿って書く
  • ケース別の文例を組み合わせて作成
  • 「相続させる」と「遺贈する」の使い分けが重要
  • 財産は登記事項証明書・通帳どおりに正確に
  • 予備的遺言で万一に備える
  • 付言事項で想いを伝える
  • 確実性を求めるなら公正証書遺言を

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