【仙台】夫婦で遺言書を作る場合の注意点|行政書士がわかりやすく解説

「夫婦で一緒に遺言書を作りたい」
「夫婦で同じ内容の遺言書を作れるの?」

二人で遺言書のことを考えること自体はとても大切な準備です。しかし法律上のルールを知らないまま進めると、無効になることもあります。また、夫婦で遺言書を作る際には、見落としがちな重要なポイントがいくつかあります。

この記事でわかること
・夫婦で一通の遺言書が作れない理由
・夫婦で遺言書を作る際のポイント
・予備的遺言がないと起きる問題
・子どもがいない夫婦が特に注意すべきこと

はじめまして。宮城県仙台市宮城野区を拠点に活動している行政書士の髙橋誠です。私は行政書士であると同時に、約10年介護現場で働いてきた介護福祉士でもあります。


夫婦で一通の遺言書は作れない

共同遺言は禁止されている

「夫婦で一緒に遺言書を作りたい」というご要望をいただくことがありますが、これは法律上できません。民法第975条では「遺言は二人以上の者が同一の証書ですることができない」と定められています。夫婦が一通の遺言書に連名で署名することは禁止されています。

それぞれが別々に作成する必要がある

夫婦で遺言書を作る場合は、必ずそれぞれが別々の遺言書を作成しなければなりません。内容が同じであっても、別々の書類として作成する必要があります。


夫婦で遺言書を作る場合のポイント

お互いの財産を明確に分けて記載する

夫の財産は夫の遺言書に、妻の財産は妻の遺言書に、それぞれ正確に記載します。お互いの財産が混在しないよう、どの財産が誰のものかを明確にした上で、それぞれの遺言書に記載することが重要です。

お互いの内容を整合させる(たすき掛け遺言)

夫の遺言書と妻の遺言書の内容が矛盾しないよう整合させることが大切です。「夫が先に亡くなった場合は妻に全財産を」「妻が先に亡くなった場合は夫に全財産を」というように、どちらが先に亡くなっても対応できる内容にしておきましょう。

予備的遺言の第二相続先を夫婦で揃えておく

ここは見落とされがちな重要なポイントです。

例えば夫が「全財産を妻に、妻が先に亡くなっていた場合は長男に」と書いて、妻が「全財産を夫に、夫が先に亡くなっていた場合は長女に」と書いた場合、どちらが先に亡くなるかで子供たちが受け取る財産が変わってしまいます。

夫婦で予備的遺言の第二相続先も話し合って揃えておくことで、どちらが先に亡くなっても意図した通りに財産を残すことができます。

予備的遺言を必ず入れる

配偶者が先に亡くなっていた場合や同時に亡くなった場合に備えて、第二の相続先を指定しておく予備的遺言が重要です。

予備的遺言がない場合、撤回とはなりませんが、その条項の効力が失われます。例えば「全財産を妻に相続させる」という遺言書を作っても、妻がすでに亡くなっていた場合、その条項は実現不可能となり、遺言書があるにもかかわらず遺産分割協議が必要になってしまいます。

せっかく作った遺言書が機能しない事態を防ぐために、予備的遺言は必ず入れておきましょう。

同時に作成するのがおすすめ

夫婦で同時に遺言書を作成することで、お互いの意思を確認しながら整合性のある内容にすることができます。公正証書遺言の場合、同じ日に公証役場で作成することも可能です。


子どもがいない夫婦は特に重要

遺言書がないと配偶者が全財産を受け取れない

私の知り合いに「自分が死んだら妻に全財産が渡らないかもしれない」と心配している方がいます。子どもがいない夫婦の場合、この心配は現実のリスクです。

子どもがいない夫婦の場合、法定相続分は配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4になります。つまり遺言書がなければ、義理の兄弟姉妹にも1/4の財産が渡ることになります。

※子供がいないご夫婦についての記事はこちらをご覧ください。

甥・姪まで相続人になることがある

さらに兄弟姉妹がすでに亡くなっていた場合、代襲相続が発生して甥・姪が相続人になります。面識がほとんどない甥・姪と遺産分割協議をしなければならない、という事態になりかねません。

遺言書で兄弟姉妹への相続を完全に防げる

兄弟姉妹には遺留分がありません。つまり「全財産を配偶者に相続させる」という遺言書を作っておけば、義理の兄弟姉妹や甥・姪への相続を完全に防ぐことができます。子どもがいない夫婦こそ、早めに遺言書を作成しておくことが重要です。


遺言書作成後の注意点

定期的に見直す

ライフイベントや財産の変化に合わせて、定期的に遺言書を見直すことをお勧めします。夫婦で同じタイミングで見直すことで、整合性を保つことができます。

保管場所を共有しておく

自筆証書遺言の場合、保管場所を配偶者に伝えておくことが大切です。法務局の保管制度を利用することで、紛失・改ざん・隠匿のリスクを防ぐことができます。


まとめ

夫婦で遺言書を作る場合は、必ずそれぞれが別々に作成しなければなりません。その上で以下のポイントを押さえておきましょう。

・お互いの財産を明確に分けてそれぞれの遺言書に記載する
・予備的遺言を必ず入れて、第二相続先を夫婦で揃えておく
・子どもがいない夫婦は特に早めの作成が重要

「夫婦で遺言書を作りたい」「どんな内容にすればいいか相談したい」そんな方は、まずはお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

サービス内容・料金はこちらをご覧ください。

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