【仙台】遺言書が無効になる5つのケース|宮城県の行政書士が具体例でわかりやすく解説

宮城県仙台市を拠点とする行政書士の髙橋誠です。

この記事では遺言書が無効になる5つのケースを具体例を交えて解説いたします。


「せっかく遺言書を作ったのに無効だった」「遺言書の内容が実現されなかった」そんな悲しい結末を避けるために、遺言書が無効になるケースを事前に知っておくことが大切です。


そもそも遺言書が無効になるとどうなるか

遺言書が無効になると、遺言書がなかったものとして扱われます。つまり相続人全員で遺産分割協議をやり直す必要が生じます。

せっかく「自宅は長男に」「預貯金は次女に」と決めておいても、遺言書が無効になれば相続人全員の合意が必要になります。相続人の間で意見が合わなければトラブルになる可能性があります。

だからこそ遺言書は正しい形式で作成することが非常に重要です。


遺言書が無効になる5つのケース

バッテンをする男性

ケース① 形式の不備

自筆証書遺言には法律で定められた要件があります。この要件を一つでも満たしていないと遺言書は無効になります。

全文が自筆でない

自筆証書遺言は全文を自分で手書きしなければなりません。パソコンで作成した文章は無効です。ただし財産目録についてはパソコン作成が認められています。その場合は全ページに署名・押印が必要です。

日付が記載されていない・不正確

遺言書には作成した年月日を必ず記載しなければなりません。「吉日」や「〇月吉日」という記載は無効です。必ず「2026年5月24日」のように具体的な日付を書いてください。

署名・押印がない

遺言書には必ず署名と押印が必要です。押印は認印でも有効ですが、実印が望ましいです。署名だけで押印がない場合は無効になります。

加筆・訂正の方法が正しくない

遺言書の内容を修正する場合は、正しい方法で行わなければなりません。修正箇所を二重線で消して余白に訂正内容を書き、訂正印を押して変更した文字数を記載する必要があります。修正液や修正テープの使用は無効になります。私個人としては書き損じたら書き直すことをおすすめします。


ケース② 遺言能力がない状態で作成した

遺言書を作成するためには「遺言能力」が必要です。遺言能力とは、遺言の内容を理解して自分の意思で遺言を作成できる判断能力のことです。

認知症が進行して判断能力がない状態で作成した遺言書は無効になります。また泥酔状態や意識が混濁した状態で作成した遺言書も無効になる可能性があります。

具体的な例

重度の認知症が進行した後に家族が「ここに署名して」と誘導して作成した遺言書は、後から相続人に無効を主張される可能性が高いです。

だからこそ判断能力があるうちに早めに遺言書を作成することが大切です。


ケース③ 複数人が共同で作成した

遺言書は必ず一人で作成しなければなりません。夫婦が一緒に一通の遺言書を作成することはできません。

「夫婦で同じ内容の遺言書を作りたい」という場合でも、必ずそれぞれが別々に作成する必要があります。一通の用紙に夫婦が連名で署名した遺言書は無効です。

具体的な例

「私たち夫婦は財産をすべて長男に相続させます」と一通の遺言書に夫婦が連名で署名・押印した場合、その遺言書は無効になります。


ケース④ 脅迫・詐欺によって作成させられた

遺言者が脅迫や詐欺によって遺言書を作成させられた場合、新しい遺言書を作成して取り消すことができます。

又は相続発生後に相続人が「遺言無効確認請求」等の法的手続きを行って対処します。

具体的な例

「遺言書に私の名前を書かないと面倒を見ない」と家族に脅されて作成した遺言書や、「この人に全財産を渡さないと大変なことになる」と第三者に騙されて作成した遺言書は、取り消しの対象になります。


ケース⑤ 内容が不明確・特定できない

遺言書の内容が不明確で、何を誰に渡すのかが特定できない場合は無効になることがあります。

具体的な例

「財産は子どもたちに仲良く分けること」という記載は、具体的に誰に何を渡すかが不明確なため、遺言としての効力が認められない可能性があります。

また「仙台市内の不動産を長男に」という記載で、仙台市内に複数の不動産がある場合は、どの不動産を指しているか特定できないため問題が生じる可能性があります。

遺言書には財産を具体的に特定して記載することが重要です。不動産なら地番・地目・面積まで、預貯金なら金融機関名・支店名・口座番号まで記載しましょう。


遺言書が無効にならないためのポイント

自筆証書遺言を作る時のチェックリスト

遺言書を作成したら以下を確認してください。

全文が自分の手書きになっているか、日付が具体的に記載されているか、署名・押印があるか、財産の特定が具体的にできているか、修正がある場合は正しい方法で行っているかを確認しましょう。

以下チェックリストになります。ご自身で作成される際、ご参考になさってください。

□ 1、タイトルは「遺言書」となっていますか?

□ 2、自筆で書いていますか?(パソコンで書いていませんか?)

□ 3、妻と夫の2人で1つの遺言書になっていませんか?

□ 4、名前は書いてありますか?

□ 5、印鑑(実印)は押していますか?

□ 6、日付は書いてありますか?

□ 7、不動産は登記簿謄本とおり書いてありますか?

□ 8、預貯金は金融機関名、支店、普通又は当座の記載、番号が書いてありますか?

□ 9、「譲る」「渡す」「継がす」などの表現を使っていませんか?

□ 10、訂正の仕方は間違っていませんか?

□ 11、人名の後には生年月日が入っていますか?

□ 12、封筒の表紙に「裁判所以外で開封しないで下さい。開封すると5万円以下の過料になる場合があります。」と書いてありますか?

□ 13、封筒に名前が書いてありますか?

□ 14、封筒は封がしてありますか?

□ 15、遺言書に押した実印で封筒にも押しましたか?

□ 16、印鑑証明書を添付していますか?

公正証書遺言が安心な理由

公正証書遺言は公証人が内容を確認して作成するため、形式の不備や内容の不明確さによる無効リスクがほぼありません。大切な財産を確実に渡したい場合は公正証書遺言をおすすめします。

法務局保管制度の活用

法務局の画像

自筆証書遺言を作成した場合は法務局の保管制度を利用することをおすすめします。法務局での保管申請時に形式的な要件のチェックが行われるため、明らかな形式不備を事前に発見できます。

法務局保管制度はこちらの記事に記載しております


遺言書を作る前に専門家に相談を

遺言書の作成は一見簡単に見えますが、法律的な要件を正確に満たすことは意外と難しいです。特に財産の特定や相続人への配慮(遺留分)など、専門的な知識が必要な場面が多くあります。

介護現場で1度だけですが「遺言書が書いてあったが無効で大変でした」というご家族のケースを実際に見たことがあります。せっかくの想いが無駄になってしまわないよう、専門家のサポートを受けることをおすすめします。


遺言が無効になるケースのまとめ

遺言書が無効になる主なケースは、形式の不備・遺言能力がない状態での作成・共同遺言・脅迫や詐欺・内容の不明確さの5つです。

「正しく遺言書を作りたい」「作った遺言書が有効か確認したい」そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。宮城県仙台市の行政書士髙橋誠事務所では、遺言書作成について無料相談を受け付けております。

サービス内容はこちらをご覧ください。

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